夜勤明けで、19時ごろ、夕食を買いに行こうと思って外に出ましたら、
何かに呼ばれているような気がしました。
いつもの通り自転車に乗り、いつもの橋まで行きましたところ、
夜闇に浮かぶ、燃えるような紅い満月が、遠くにありました。
私は、心臓を強く打たれたような感覚になりました。
しばらく、その月を眺めていましたが、
ふとその月を追いかけるべく、気がつけば川に沿って自転車をこいでいました。
いくつもの橋を越えて、いくつもの道路を越えていきます。
私は、その光景を、以前夢で見たことがあります。
その光景は、私の精神世界の観点からお話ししますと、
自転車をこぐその風、川の冷たい風が、まるで、私の背中に大きな翼が生えて、
あたかも空を飛んでいるように感じられるのです。
また、場所が変わる=空間が変わることは、私にとってはパラレルワールドに当たります。
つまり、この光景こそ私の魂の次元上昇=アセンションと捉えています。
ふいに、精神(こころ)が揺れて、涙がこぼれました。
私は、月と川から生まれてきたのだと、悟りました。
母なる、大自然。母なる、宇宙。大いなる、魂…。
そのすべてに、感謝と無性の愛の気持ちで、心はいっぱいになりました。
問いかけてみました。
「なぜ人びとは、こんなにも苦しい思いをしなければならないのか。」
「周りの人たちが、こんなにも辛い状況なのに、私は何もできないのか。」
「私は、人びとの癒しになることはできないのか…。」
答えは、ありませんでした。
ただ、なんとなく。思うところとしましては、
全ての苦しみは、その後に訪れる幸せのためであると。
現在のこの状況は、それを早めているに過ぎないと。
「少しでも、人びとの苦しみが減る世界になればいいのになぁ。」
人には、人の宿命がありますから。そう簡単には変えられませんね。
そして、川が、より大きな川とぶつかる地点。
向こう岸に見える夜景の、なんとまぁ綺麗なこと。県の境目、人生も境目(転機)。
片方は、煌々と、光のあふれ煌く世界。もう片方は、闇が少し多いが、それでも美しい世界。
私は、煌々たる世界に、ピンク色に輝くツリー(スカイツリー?)があるのが見えて、
それに向かって、また自転車をこいでいた。
まるで、何かに呼ばれるように。
大きな橋を越え、ずっとまっすぐ行ったところに、道路がカーブを描いて交差しているところがあった。
光が、まるで虹のようにアーチを描いていた。
暗闇で、それ以外の情報はなにもなく、私は周りの建物を見て情報をあつめようとした。
ピンク色に輝くツリーが、さらに私を呼ぶ。
草むらの中を通り抜けて、次の橋へとたどり着く。
電車が見えた。すぐ近くに、駅もあった。
ツリーは、大きな建物によって見えなくなってしまった。月も雲に隠れてしまった。
私は、帰ることにした。
ふと、後ろを振り返ると、満月が輝いて私を見送ってくれているようだった。
目の悪い私は、満月の中に羽があるように見えた。
私は、遠い記憶を思い出していた。
月は、太陽によってその光を放っているように見えるのだという。
私も、きっとそういう生きものなのだろう。太陽があることによって、私の気持ちも明るく
輝くことができる。夢に向かって頑張ることができる。それに夜型である(^-^;
曇りや雨の日じゃ、モチベーションが高まらない。
せっかくなので、私はもうひとつの方の世界にも行ってみることにした。
高さのある建物が、間隔をあけて立ち並ぶ。私の、住む世界。
その見事なソーシャルディスタンスに、私は美を感じた。
なぜ、こんなにも私は、川に惹かれるのだろう。
いや、逆に川に取り憑かれているのではないか?川に愛されているのではないか?
私はきっと、文字通り、橋の下で生まれてきたに違いない。
水は、記憶をつかさどると言われているようだが、
その空気、温度、音、におい、季節、風景、そのすべてが、ある記憶を呼び醒ます。
春夏秋冬。忘れることができない。今でも、目の前に、きみがいるようで…。
あぁ、私とは、いったいなんなのだろう。
これから、いったいどこに向かっていくのだろう。
答えは、神のみぞ知る。
私は、ただ私の宿命によって、流されて生きていくだけだ。
…こんな私でも、人びとを幸せにすることができるだろうか。
人びとの心を打つものを創ることができるのだろうか。
どうか、見守っていて欲しい。
私がどういう人間で、なにがしたいのかを知って欲しい。
必ず、良いものを創ってみせるから。
私のこと頑張って全部伝えるから。
家に帰ってきたのは、出発から4時間後のことでしたとさ。おしまい⭐︎
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m